Icon  no03 1
Title  double doors
ダブルドアーズ
東京で忙しなく暮らす人たちが、週末になると“南下”して向かう場所、鎌倉エリア。すべてが満たされるはずの都心になくここにあるもの。延びるビーチ、爽やかな風、居心地のいい人とのつながり。この週末もまた、鎌倉エリアで知り合った気の合う三人組が海沿いのドライブへ出かけた。
Photograph by Shinji Yagi
Styling by Tadashi Mochizuki (SUN'S & RAINBOW)
Hair and make up by Aki Kudo
Text by Ryo Imamura
Model by Dona, Go, Tomas

海と太陽に愛されたレストランバー
『ダブルドアーズ』
 晴れた週末、このお店の賑わい方は鎌倉エリアの
“現在地”を表している。開店と同時に入ってくるのは
愛犬を従えた地元住民や、海からあがりさっぱりと
した表情のサーファー、東京をはじめ遠方からやっ
てくるグループなど。多種多様な人たちでいっぱい
になる。カリフォルニアのハンティントンビーチに
いるかのような気分にさせてくれるレストランバー
『ダブルドアーズ 七里ガ浜』に待たずに入ろうと思
うなら、週末の昼時は避けた方がいいかもしれない。
三人が訪れたのは、晴れた日のオープン時間直後の
11時。早めであればわりと好きな席を選ぶことがで
きるが、日差しがある日なら少々風が冷たい季節で
もテラス席がおすすめ。目の前には広い海。座り心
地のいいソファに仲間と肩を並べて名物のハンバー
グや季節の食材をつかったピザにありつける。西洋
わさびがのったアボカドハンバーグ(ソースはジン
ジャーと和風おろしから選べる)は、一度食べると
必ずまた食べたくなってしまうほど。近所に住めば
もちろん、波乗りでエネルギーを使ったあとならな

おのこと。
「オシャレなカフェとかそういうレベルの味を超え
ちゃっているうえに気持ちがいいから週末起きると
脳が勝手に“行きたい”ってなる」
「美味しくて見た目もキレイっていうところはだい
たい量が少なかったりするけど、ここはボリューム

あるから、気持ちもお腹も“満たされ感”が半端ない」
気楽に会話を楽しめ、美味を堪能できる。三人が常
連となっているのは、休日を充実させてくれる満足
感があるからだそう。
1998年に藤沢で最初のお店をオープンした『ダブル
ドアーズ』はアットホームな雰囲気をつくり、愛犬

を散歩する人がそのまま立ち寄れるようにした。す
ると、その空間と一度食べたら忘れられない味を求
める人で店内はいっぱいになった。2008年には七里
ガ浜店ができこの冬で10年目を迎えるが、太陽が降
り注ぐ人気店に陰りはない。

Icon  no03 2
Title  alec
アレック
満足感に包まれた三人は134号線を東へ車を走らせる。右に由比ガ浜を見ながら滑川の交差点を鎌倉駅の方へとハンドルを切ると、ほどなくして現れるのがクラシックミニに特化したこだわりのガレージ『ALEC』。赤レンガの装いが趣を感じさせる。

古き良きものは新しい。
大人の遊び心をくすぐる『ALEC』
 どうしても海の話題が多くなる三人も、このガレ
ージに来れば“男子モード”にスイッチが入る。かと
いって女性の好奇心も放っておかないのが名車『ミ
ニ』の魅力。熟練エンジニアの手で丁寧に整備され
息を吹き返したクラシックミニには、見事なカラー
リングがほどこされ、その風貌は「美しい」の一言。
すべてがまっさらな新品の感じとは違い、いい具合
に歳を重ねた余裕に上乗せされた“遊び心”を醸して
いる。
「めちゃくちゃ触りたいけど、触っちゃいけない風
格があるよね」と言って、男たちはギリギリまで顔
を近づけてフォルムに見入っている。
ガレージ『ALEC』を取り仕切るのは、エンジニア
人生ミニ道一筋の西尾忠幸氏。「最初は佐助ってい
う鎌倉駅の向こう側にある町で10年やって、こっち
に移ってたのが1993年だからもうかれこれ34年くら

いかな」
1階はガレージ、2階は千差万別のパーツがところ狭
しと並んでいる。ステアリングやメーター類、工具
などの隙間に西尾氏お気に入りのものと思われる古
い地球儀やビンテージグッズなどが置かれている。
一見無秩序に見えるが、男の子の脳内を具現化した

ような店内は、心踊らされると同時にどこか落ち着
くから不思議。カウンターの中には大量の“カルテ”
が見える。
「(お客の)なかには30年来の人もいるから。お客
さんだけどもう仲間だよね。今は長生きの時代だか
らさ、みんな車より元気なんだよ(笑)」

若い人たちも来るか聞いてみると、「今は免許も取
らない人が多いからね」と首を傾げたが、「どうい
うものを見てきたかっていう世代の流れにもよるよ
ね。親や近い人に好きな人がいたら若くても来るし、
逆に好きだったんだけど手が出せなくて、成長して
少しゆとりがでてきた人が人生の愉しみとして買い

に来るというのもあるよ」
「人生の愉しみ」。たしかに、『ダブルドアーズ』に差す光を堪能している人たちも、サーフィンライフを満喫する人たちも、愛するクラシックミニを乗り続ける人たちも、このエリアには、「人生を愉しむ」という時間があちこちに転がっているようなところがある。そういった空気を求めてはるばる“南下”する人たちが多いのも頷ける。
三人は、再び車に乗り込んで彼らのホームとも言える七里ガ浜へ。広い駐車場からは、ビーチへと降りる階段がある。晴天の日の黄昏時、その場に居合わせた人たちだけの特権的な時間が訪れる。柔らかい残照に包まれながら、ケータイを手にする者もなく、静かに海を眺める。三人が愛する鎌倉の地でもっともその恩恵を受ける瞬間。海がある街の。

Slide01 Slide02 Slide03 Slide04 Slide05 Slide06 Slide07 Slide08 Slide09 Slide10 Slide11 Slide12 Slide13 Slide14 Slide15

Title  style Title  style  m

Style01 cover コーチジャケット 23,000円、中に着たプルオーバーパーカ 7,500円、(すべてChampion)、その他スタイリスト私物
Style02 cover パーカ 18,000円、スニーカー 13,800円(すべてChampion)、その他スタイリスト私物
Style03 cover フリースジャケット 9,800円(すべてChampion)、その他スタイリスト私物
Map